提案書の構成を解説!伝わる5つの要素と見せ方のポイント3つ
- 提案書の構成が分からない…
- 確実に必要な構成は何?
- 大切な提案だから失敗したくない!
アイデアが頭の中にあって、どの様な構成でパワーポイントを作成していいか分からず、資料作成に時間をかけてまた残業…
このようなケースは多いのではないでしょうか?
提案書の目的は相手に提案内容を「理解と納得」してもらうツールです。
僕も提案書や企画書作りが最初苦手でしたが、本を読んだり先輩から教えて貰ったりして、安定したクオリティで作る事が出来るようになりました。
この記事ではパワーポイントの提案書作りの、3つのコツについて紹介したいと思います。
- 抑えるべき5つの構成
- 情報整理に役立つフレームワーク
- 伝わる見せ方のポイント
今回の記事の内容は、ほとんどの提案書作りに応用ができるので、ぜひ身に付けて自分のスキルにしましょう!
提案書とは?
提案書の目的は新しい商品やサービス開発について、社内決裁を得るためのツールです。
その目的に対して、「提案書」は決裁者の「納得」や「合意形成」を貰うための一つのコミュニケーションツール(役割)となります。
今回は提案書に含まれる目的や要件整理、施策内容が揃っている前提でパワーポイントの作り方についてご説明したいと思います。
もしまだこれらが揃っていない場合は、下記の記事に目を通してみてください。
【企画書作りの超基本!】企画書を作る前に「6w2h」は確実に押さえよう!
提案書の構成は5つの要素
提案書作りに抑えておくべき5つの構成は下記となります。
構成 | 概要 |
---|---|
1.現状分析 | 提案の背景や課題、必要性を説明 |
2.目的と全体像 | 提案の目的とスキームについて説明 |
3.提案内容 | 目的に応じた提案内容の詳細 |
4.スケジュール | 企画提案から実行、完了までの行程 |
5.収支計画 | 提案に必要な予算と売上の見込み |
参考として、このサイト「キカクワークス」を立ち上げる時の提案書を例として作ってみたいと思います。
ざっくりな部分もありますが、大まかな構成は参考になると思います。
提案書の構成1.現状分析について
現状分析とは、この企画提案を作る背景や課題について知る構成となります。
分析の対象は提案内容によって異なりますが、大切なポイントは伝える人に対して「この課題を自分ごとにしてもらう」ことになります。
現状分析のページは導入部分となりますので、聞いている人に興味やこの提案の必要性を感じてもらう重要な構成の一つです。
提案書の構成2.目的と全体像
先ほどの現状分析で挙げられた課題に対して、
- どのように改善するか?
- 或いはどのような状態を目指すのか?
を言語化する必要があり、それが「目的」となります。
「目的」を言い換えると「Vision(ビジョン)」とも言えます。
今回の企画を通じて目指すべき場所や状態を、端的に説明できると良いです。
また、目的に沿った企画提案の全体像のページもセットで作りましょう。
全体像に含まれるのは「戦略」や「方向性」といった、提案の「テーマ」の様なイメージです。
「テーマ」に対して「施策」を表現すると伝える相手の頭のなかで企画提案が立体的に浮かび上がります。
提案書の構成3.提案の内容
次は提案内容について表現するページで、情報を「整理して」「正しく」伝える部分となります。
商品やサービス内容によって様々な企画提案やアイデアがあると思いますが、個人的には4つの要点に絞って作成すればおおよそ伝わります。
項目 | 内容 |
---|---|
Who(誰が?) | この企画提案の実施者 |
Whom(誰に?) | ターゲットの記載 |
What(何を?) | 実施内容を記載 |
Goal(目標) | 実施後の目標 |
また、1ページの企画提案書に入る情報量は限られるので、各施策の詳細は別ページで紹介する事をおすすめします。
下記のサンプルは施策の全体像と内容を連動させた資料を、1ページにまとめています。
次のページ以降は、施策の一つ一つの詳細を記載したページを作成していきましょう。
今回のサンプルは簡単な例ですのでご自身の提案内容に合わせて、さらに詳細を加えたりアレンジしてみてください。
提案書の構成4.スケジュール
スケジュールの作り方はプロジェクトの期限や納期などから逆算して設計しましょう。
社内や社外のリソースを確保しつつ、理想はちょっとしたトラブルや納期遅れが発生する事を見越して、余裕をもって作成しましょう。
スケジュールを作成する際のフォーマットは「施策内容の大中小」と「時間軸」が一目でわかる【ガントチャート】がおススメです。
提案書の構成5.収支計画
収支計画は、企画提案の決裁者としては気になるページです。
支出面では、予め与えられた予算に合わせて、どの施策にいくらの費用が掛かっているか?を確認するページです。
今回のサンプルは支出のみで作成しています。
また収入面においては、費用対効果がとても重要で、「効果」はできるだけ定量的に表現しましょう。
もし金額的な収入を目標にしていない場合は、状態目標(〇月〇日までに、○○になる等)やなるべく定量的な成果を記載すると良いでしょう。
場合によっては、収支計画をAパターン/Bパターンといった複数持って行くと、決裁者も判断しやすいかもしれません。
提案書の構成作りに使えるフレームワーク3選!
企画提案に必要な構成が理解できたうえで、次は実際の作業で使える便利なフレームワークを紹介します。
フレームワークは分析や問題解決をするときに使う「情報整理の手法です。
企画提案書作り以外にも様々なシーンで使えるスキルですので、必ず身に付けていきましょう。
今回ご紹介するフレームワークは下記です。
- 6W2H
➡情報を正確に整理・確認 - 3C分析
➡施策を内容を3つの視点で状況把握 - カスタマージャーニーマップ
➡認知から購入、その後の動向を整理
6w2h
6w2hは問題解決に必要な情報を正確かつ漏れなく整理ができます。それぞれの項目は以下の様な意味を持っています。
どれも重要なのですが、企画提案の作り始めは「Why(なぜやるのか?)」が非常に重要です。
資料作りで迷ったりアイデアが出ない場合は、この「Why(なぜやるのか?)」に立ち戻る事で、解決する事が多くあります。
6w2h | 内容 |
---|---|
Why(なぜやるの?) | 企画提案の理由や背景 |
What(何をする?) | 企画提案で取り組むこと |
Where(どこで?) | 実施場所やメディア |
Whom(誰に?) | この企画提案の対象者 |
Whene(いつまでに?) | 実施するスケジュール |
Who(誰がやる?) | 企画の実行者やメンバー |
How(どうやって?) | 具体的な方法 |
How much(いくら?) | 必要な費用 |
このフレームワークは画書に必要な情報を整理して言語化できます。
また、企画提案書を見直す時に抜け漏れがないか、この6w2hを使ってチェックすると良いと思います。
3C分析
この3C分析は【お客様】【ライバル】【自分】について整理するフレームワークです。企画提案書作りの【現状分析】で活用できます。
3C分析の「C」は下記の頭文字をとっています。
- お客様(Customer)
➡顧客のニーズやマーケット規模など - ライバル(Competitor)
➡競合の製品やサービスの状況や特徴 - 自分(Company)
➡自社の理念や、強み/弱みなど
3C分析で整理された情報があると、企画提案の際に俯瞰して現状把握をすることが出来ます。
その全体を把握したうえで、最適な提案をプレゼンする流れがつくれるのでおススメです。
3.カスタマージャーニーマップ
続いて「カスタマージャーニーマップ」についてご説明します。
顧客を軸に、商品を認知するところから購入、その後のリピートまでの流れを【時間軸】【行動】【感情】などで、整理するフレームワーク。
例として「ワイヤレスイヤホン」を販売する場合のカスタマージャーニーマップは下記の様な形になります。
カスタマージャーニーマップは、お客様が自分の商品を知るところから、購入やその後のコミュニケーションや施策などを整理する事が出来ます。
プロモーション施策の時に使うケースが多いフレームワークです。
提案書の伝わる見せ方ポイント3つ
フレームワークを抑えたら、次はパワーポイントの最大の強み「ビジュアル訴求」についてご説明したいと思います。
ただ、パワーポイントは自由度が高い分、間違った要素を組み合わせてしまい、資料が見えずらくなるケースが多く見られます。
今回のご紹介するのは、パワーポイントを作るうえでこの3つを抑えておけば一定のクオリティが保てる資料作りが可能です。
- フォント
➡視認性の高い文字とサイズを選ぶ - カラー
➡ベース/メイン/アクセントを決める - グラフや図形
➡視覚的に情報を伝える
提案書のフォントは揃える
読みやすい資料のフォント(文字)には一定のルールが決められています。
下記の参考ルールを基本にするだけで、整理された資料になります。
種類 | 視認性の高いメイリオ/ヒラギノが◎ |
カラー | 基本は黒、アクセントは1色まで |
サイズ | フォントサイズの種類は3種類まで |
装飾 | 太文字やアンダーラインを使う |
下記のビフォー/アフターを見てみましょう。
【Before】文字の色や装飾、フォントの種類がバラバラで、どこがポイントが不明。
【After】フォントの種類と色を統一させて、ポイント絞って下線を引いています。
提案書の内容に合わせたテーマカラー
資料全体の印象を決めるカラーリングです。
こちらもフォントと同様にルールを決めれば簡単かつ、統一感のある資料が作れます。
基本的には色は多くても3種類でベースカラー70%、メインカラー25%、アクセントカラー5%の割合で使っていきましょう。
上記のカラーガイドは一つの参考にしつつ、モノトーンの黒と白で作る企画提案書でも全く問題ないです。
資料のテイストに合わせてテーマカラーを変更してみてください。
提案内容を視覚的伝えるグラフや図形
最後は、企画提案書で使用頻度の多いグラフや図形で、こちらをしっかりと使いこなせば、見た方は視覚的にも伝わり、理解度をより高まります。
良く使うグラフ3種類については次のように使い分けると良いでしょう。
図形については、カタチや矢印、配置などを効果的に活用することで資料の見やすさが異なります。しましょう。
提案に含まれる「要素の関係性や連動性など」を「図形」で表現する事で、理解度が変わります。
代表的な図形の使い方について紹介します。
提案書の構成のまとめ
企画提案書づくりは一定の手順に沿って作成すれば、伝わる資料になります。
一度作成したパワーポイントは、テンプレートとしても有効活用することができますので、保管しておくと良いでしょう。
社内のメンバーにも共有して使いまわせば、組織全体の生産性も上がります。
提案書作りのおススメ参考本
僕が企画提案書づくりで非常に役に立った参考書もいくつか紹介しますので、参考にしてみてください。
僕はこの本を読むだけで資料の見た目や内容が良くなり、上司に褒められたり案件を任せてくれました。
資料作りのスキルを高めたい方には必須の本です。
プレゼン資料のデザイン図鑑
- 資料の見せ方テンプレート集として非常に使いやすく、デスクに1冊あると重宝
- レイアウトや図形の使い方、カラーのデザインを参考にする場合はこれ1冊で十分
- 職場で、企画提案書作り初心者には課題図書として貸し出してます!
\企画提案書作りをする方は1冊あると助かる!/
社外プレゼンの資料作成術【完全版】
- 相手を飽きさせず、引き込む資料作りが出来るようになるので、営業資料を作成する時に便利です
- 社外向けには感情を揺さぶることの必要性について説明されいています
「孫社長にたたきこまれた「数値化」仕事術
- 企画提案書の導入ページでもある「現状把握の定量化」する方法が多数紹介
- 前提条件を定量化して、データ整理することで提案の厚みがグッと増します
- 数字にうるさい決裁者がいる場合は超おススメです(笑)
\数値に強くなりたい方は必見!/
他にも企画提案書作りの参考記事もありますので、よかったらご覧ください。
もしあなたが未経験から企画職やマーケティング関連の仕事に転職を目指す方であれば、こちらの記事を参考になります
それでは、明日も仕事楽しみましょう
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